VRで楽しむアートギャラリー!メタバース空間での鑑賞体験ガイド
VR/ARアートにご興味をお持ちいただき、ありがとうございます。「拡張現実美術館」です。
これまで、VR/ARアートの基本的なことや、体験できる場所、自宅での始め方などをご紹介してきました。今回は、VRアートの中でも特に新しい体験の一つである「メタバース空間でのアート鑑賞」について、初心者の方にも分かりやすくご案内したいと思います。
まるで本物の美術館やギャラリーを訪れるように、オンラインの仮想空間でアート作品を目の前にして歩き回る。そんな体験を、VRデバイスを使えば実現できます。少し難しそうに感じるかもしれませんが、基本的な流れを知れば、きっと素晴らしいアートの世界が広がりますよ。
メタバース空間とは? アート鑑賞の新しい舞台
「メタバース」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。これはインターネット上に存在する、仮想の三次元空間のことです。ゲームやコミュニケーション、イベントなど、様々な目的で使われていますが、近年ではアーティストが自身のVRアート作品を発表したり、企画展を開催したりする「アートギャラリー」としても注目されています。
メタバース空間にあるアートギャラリーは、現実のギャラリーのように作品が壁に飾られていたり、空間全体がアート作品になっていたりします。VRデバイスを装着してその空間に入ると、まるで自分がそこに立っているかのような感覚で、作品の周りを歩いたり、視点を変えたりしながら自由に鑑賞することができます。
メタバースでアートを鑑賞するために必要なもの
メタバース空間でVRアートを鑑賞するには、主に以下のものが必要です。
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VRデバイス(HMD:ヘッドマウントディスプレイ): 最も没入感高く体験するために必須の機器です。Meta QuestシリーズやPICOシリーズなど、PC接続不要な一体型VRデバイスが手軽でおすすめです。PCVR(高性能なPCと接続するタイプのVRデバイス)でも可能ですが、一体型の方が準備が簡単でしょう。
- 補足: HMD(ヘッドマウントディスプレイ)とは、頭部に装着するゴーグルのような形の表示装置のことです。
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インターネット環境: メタバース空間にアクセスするためには、安定したインターネット接続が必要です。Wi-Fi環境があれば、自宅で気軽に楽しめます。
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利用するプラットフォームのアカウントとソフトウェア: メタバース空間には様々な「プラットフォーム」があります。アート鑑賞によく利用されるものとしては、「VRChat(ブイアールチャット)」や「Spatial(スペイシャル)」などがあります。これらのプラットフォームを利用するには、通常、無料のアカウントを作成し、対応するソフトウェア(アプリ)をVRデバイスにインストールする必要があります。
アートギャラリーへのアクセス方法
プラットフォームを選び、必要な準備ができたら、いよいよメタバース空間のアートギャラリーへアクセスしてみましょう。
- プラットフォームを起動: VRデバイスを装着し、インストールしたメタバースプラットフォームのソフトウェアを起動します。
- ギャラリーを探す: 各プラットフォームには、様々な「ワールド」(仮想空間のこと)が用意されています。アートギャラリーとして作られたワールドを探す機能(検索やカテゴリ分けなど)がありますので、それを利用します。「Art Gallery」「アート」「美術館」といったキーワードで検索すると見つけやすいでしょう。
- 補足: 「ワールド」とは、メタバース空間における特定の場所やシーンを指す言葉です。
- ワールドに移動: 見つけたいギャラリーのワールドを選び、移動(アクセス)します。ワールドによっては、複数人で同時にアクセスしている場合もあります。
メタバース空間でのアート鑑賞体験
ギャラリーのワールドに移動できたら、実際に空間を歩き回り、作品を見てみましょう。
- 操作方法: 基本的な移動や視点操作は、VRデバイスに付属するコントローラーを使って行います。コントローラーのアナログスティックで移動したり、頭の向きで視点を変えたりします。操作方法はプラットフォームによって多少異なりますが、チュートリアルが用意されていることが多いので、まずはそれに従って慣れるのがおすすめです。
- 補足: アナログスティックは、コントローラーについている親指で操作するレバーのことです。
- 作品とのインタラクション: VRアート作品の中には、見るだけでなく、触れたり、操作したりすることで変化するものがあります。コントローラーのボタンなどを使って、作品に近づいたり、インタラクト(操作)を試みたりしてみてください。作品の新たな一面を発見できるかもしれません。
- 他の鑑賞者: パブリックなワールドでは、自分以外にもアートを鑑賞している人がいる場合があります。アバター(自分の分身となるキャラクター)を通して、他の人と空間を共有するのもメタバースならではの体験です。声をかけられたり、挨拶したりすることもあるかもしれませんが、話したくない場合は、設定で他の人の声が聞こえないようにしたり、アバターを非表示にしたりすることも可能ですのでご安心ください。
- 補足: アバターとは、仮想空間における自分の操作するキャラクターのことです。
- 体験のコツ: 長時間のVR体験は、人によっては「VR酔い」を引き起こすことがあります。疲れたと感じたら無理せず休憩を取りましょう。また、現実世界で安全に動き回れるスペースを確保することも重要です。
代表的なメタバースプラットフォーム(アート鑑賞向け)
- VRChat: 世界で最もユーザーが多いソーシャルVRプラットフォームの一つです。多種多様なワールドが存在し、個人やグループが制作したアートギャラリーも数多く公開されています。ユーザーによるイベントや展示会も活発に行われています。無料から利用できます。
- Spatial: ビジネス利用なども多いですが、アート展示にも特化しており、美しい3D空間で作品を簡単に展示・共有できる機能があります。モバイルARやWebブラウザからもアクセス可能なワールドもあり、VRデバイスがなくても一部体験できる場合があります。無料から利用できます。
これらのプラットフォーム以外にも、VRアートを展示・体験できる空間は増えています。
まとめ
メタバース空間でのVRアート鑑賞は、自宅にいながらにして、まるで世界のどこかにあるギャラリーを訪れたかのような、没入感のある体験ができます。作品との距離感や空間の広がりを全身で感じられるのは、VRならではの魅力です。
最初はどうすれば良いか戸惑うかもしれませんが、ほとんどのプラットフォームは無料で始めることができますし、基本的な操作は比較的シンプルです。まずは興味を持ったギャラリーのワールドに、気軽にアクセスしてみてはいかがでしょうか。
新しいアート体験への一歩として、メタバース空間でのVRアート鑑賞をぜひ楽しんでみてください。